学会案内

設立趣意

2013年

世界的な健康に関する意識の高まり,日本をはじめとする国々の少子化および高齢化にともない,人々の身体の管理・疾病のケアについて,患者と直接長時間密に接する看護の視点を重視した研究と新たな開発の必要性が高まってきています.優れた臨床行動を保ち続けるとともに,エビデンスに基づいた確かな看護の方法論の確立,医師をはじめとする医療者との協調によるチーム医療のシステム化,そして理学・工学の新たな科学的知見に基づく技術の導入が求められています.

そこで,広がりつつある理工学,特に医用理工学・生体工学と看護との関わりを,ケアに関する学術的進展を主眼においた学際的な取り組みとして強化することを目的に新たに「看護理工学会」を立ち上げることといたしました.看護学・医学と理学・工学との連携にたずさわる研究者のみならず,看工連携に関わる医師,看護師,理学療法士をはじめとする医療者・実践者,機器開発に従事する企業研究者・開発者など,さまざまな領域にわたる学会員を広く募ることで,領域横断的なネットワークを形成し,ケア・予防・治療に関する学術的な基盤を構築することが可能となり,新たな理論的手段や臨床的データベースの蓄積がなされ,ひいては日々の健康・生活が質的に大きく向上することにつながると確信をしております.

本学会は,

  • 1. 看護学,医学,工学・理学の周辺領域において,それぞれの専門領域を深めつつ互いに協調連携することで,新たな学術分野,ケアに貢献する新技術の創成を目指し,
  • 2. 看護の視点を取り入れた新たな医療機器の基盤技術の研究開発とともにそれを支え広げる社会システム・制度の確立の支援活動を行い,
  • 3. 地球に住む人々の生活QOL・ウェルビーイングの一層の向上を世界の中で先導的にリードすることに寄与して参ります.

以上のような理念のもと,学術活動を通して,看護学・医学ならびに理学・工学の幅広い連携の展開に邁進することが大きく望まれております.みなさまにおかれましては何卒この趣旨をご理解頂き,ご協力をお願い申し上げる次第です.