学会誌

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更新日 2025年11月28日

看護理工学会誌 J-STAGE (Online ISSN : 2432-6283)

お知らせ

看護理工学会誌 査読方式変更について

看護理工学会 編集委員会

看護理工学会誌は、これまでダブルブラインド方式(著者、査読者双方を匿名化した査読方式)で査読を行っておりました。しかしながら、インターネットでの論文等の検索が容易になり、匿名性の厳密な保持が事実上困難になっていることを鑑み、この度、査読方式をシングルブラインド方式に変更することとなりました。
シングルブラインド方式は、著者情報が査読者に開示された状態で査読を行う方式です。査読者の情報はこれまで通り著者には開示されません。
シングルブラインドでの査読は、10月以降の投稿論文から開始となります。それ以前に投稿されている論文については、これまで通りダブルブラインドでの査読となります。
ご投稿される皆様におかれましては、10月1日(火)以降のご投稿は査読者に著者情報が開示された状態での査読となりますのでご了承下さい。
学会誌へのご投稿をお待ちしております。

9月30日(月)までに投稿された論文 ダブルブラインド方式での査読を継続
10月1日(火)以降に投稿された論文 シングルブラインド方式での査読

2024年9月18日

看護理工学会誌では新たに迅速査読制度の運用を開始しました。
学生会員の学位取得や、日本学術振興会の特別研究員への応募を支援するために、投稿を受理してからおおむね2週間以内に査読結果を通知いたします。また、迅速査読の申し込みに当たり、追加料金は発生しません。
なお、詳細は2021年9月26日改定の投稿規定をご覧ください。

看護理工学会誌13巻を発行しました。(2025/11/28)
看護理工学会誌12巻を発行しました。(2025/8/29)
看護理工学会誌11巻を発行しました。(2024/7/31)
看護理工学会誌10巻Supplement号(特集号)を発行しました。(2023/8/31)
看護理工学会誌9巻Supplement号(特集号)を発行しました。(2022/9/30)

J-Stageでのパスワード等の入力が不要になりました。また、どなたでもすぐに論文全文を読めるようになりましたので、論文を投稿される方におかれましても、研究成果の一般公開のタイムラグがなくなりました。これを機に是非ご投稿ください。(2019/1/31)

看護理工学会誌は第6巻より電子版のみ(J-Stage)発刊されます。(2018-09-08)

投稿について

看護理工学会では、皆様からのご投稿をお待ちしています。

看護理工学会誌 最新論文

原著

英語論文

Development of a noncontact electronic health record operation system for cost-effective nursing practice: Experimental validation(看護業務における時間的・物質的コストを削減する電子カルテ非接触操作システムの開発:実験的検証論文名)

佐藤 充 ほか | P.52

看護業務における時間的・物質的コストを削減する電子カルテ非接触操作システムの開発:実験的検証

著者

佐藤 充1 佐藤 正樹2

所属

  1. 群馬県立県民健康科学大学診療放射線学部
  2. 群馬県立県民健康科学大学看護学部

要旨

目的:モーションセンサを用いた電子カルテの非接触操作システムを開発した.本システムは手袋を装着したまま操作できるため,時間的・物質的コストの削減が可能になる.方法:本研究で開発したシステムが情報取得に要する平均時間を,従来のマウスを用いた方法での平均所要時間と比較した.測定は情報取得の指示が開始された時点から開始し,情報取得が終了するまでの時間を測定した.参加者は13名(平均年齢35.4±11.1歳,女性11名,男性2名)であった.結果:本システムを用いた場合,従来のマウスを用いた場合よりも情報取得に要する時間が約61%短くなった(p<0.05).さらに,非接触で操作でき,操作の度に手袋を付け替える必要がないため,手袋のコスト削減が可能となった.結論:看護業務における電子カルテの非接触操作システムを開発した.従来法にくらべ平均所要時間が短く,手袋のコスト削減が期待できる.

キーメッセージ

  1. 今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
    看護師が看護ケアや手術支援で電子カルテを操作する場合,手袋を付け替える必要があるが,手袋の着脱は業務の中断やコスト,衛生面に課題があった.この解決を目指したシステム開発をテーマとした.
  2. 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
    手袋を外さずに電子カルテを操作できれば,看護業務の効率化とコスト削減につながると考えたこと.
  3. この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
    開発したシステムを雛形として,商品レベルまで改善した場合,手袋の交換をしなくても電子カルテの操作が可能となる.これにより,手袋の交換にかかる物質的コストや衛生リスクを低減する可能性がある.
  4. 今後どのような技術が必要になるのか?
    (1)既存の電子カルテシステム自体は変更せず,完全に分離したシステムとして運用可能にする.さらに操作性を向上させる必要がある.そのためには人間工学的な検討も必要となる.
    (2)操作者の疲労を調査し,より簡便に,誤入力が少ないシステム設計にする必要がある.

キーワード

電子カルテ,コスト削減,人間工学,ユーザコンピュータインタフェース,医療情報管理

Development of a noncontact electronic health record operation system for cost-effective nursing practice: Experimental validation

Author(s)

Mitsuru Sato1 Masaki Sato2

Affiliation

  1. Department of Radiological Technology, Gunma Prefectural College of Health Sciences
  2. Department of Nursing, Gunma Prefectural College of Health Sciences

Abstract

Objective: We aimed to develop a noncontact operation system for electronic health records that allows for information acquisition without glove changes, enabling cost reduction. Methods: We developed an electronic medical record operation system using motion sensors. Additionally, we created an electronic medical record simulator to assess this electronic health record operation system. We compared the required average time for information acquisition using the motion sensor-based electronic health record operation system with that utilizing the traditional mouse method. The measurement began as the information acquisition instructions started, and it measured the amount of time until the information acquisition ended. We enrolled 13 participants. All participants were at least 20 years old (mean age: 35.4±11.1 years; 11 women, 2 men). Results: The required time to acquire information was approximately 61% shorter with this system than with the conventional mouse method (Paired t-test: t(519)=1.96, p<0.05). Furthermore, the system’s noncontact nature eliminated the requirement for glove replacement, thereby reducing glove costs. Conclusions: We have developed a noncontact operation system for electronic medical records to improve the efficiency of nurses’ work. The required average time is shorter than the conventional mouse method, and we anticipate a cost reduction in gloves.

Keyword

electronic health records, cost-effective, human engineering, user computer interface, health information management

英語論文

Sustained effects of local low-frequency vibration using an air mattress-integrated vibrator on blood flow in healthy adults: A preliminary study(健常成人を対象とした振動器内蔵エアマットレスを用いた下腿局所低周波振動の血流増加持続効果の検証:予備調査)

幅 大二郎 ほか | P.64

健常成人を対象とした振動器内蔵エアマットレスを用いた下腿局所低周波振動の血流増加持続効果の検証:予備調査

著者

幅 大二郎1 西出 彩香2 紺家 千津子3 北村 言4 真田 弘美5 松本 勝1

所属

  1. 石川県立看護大学大学院看護学研究科共同研究講座ウェルビーイング看護学
  2. 石川県立看護大学看護学部
  3. 石川県立看護大学看護学部成人看護学講座
  4. 石川県立看護大学看護学部老年看護学講座
  5. 石川県立看護大学

要旨

【目的】本研究は,振動器内蔵エアマットレスを用いた下腿部への局所低周波振動が健常成人の踵部および下腿部の血流に与える持続的増加効果を検証することを目的とした.【方法】健常成人12名を対象に,1日間のウォッシュアウト期間を設けたランダム化クロスオーバーデザインにより,15分間の振動介入と対照条件を比較した.血流,皮膚温,主観的評価(心地よさ,不快感,しびれ,痛み)をベースラインおよびフォローアップ時に測定した.血流はレーザー組織血液酸素モニターにより,踵部静脈叢および大伏在静脈に近接する皮膚表層で評価した.【結果】介入後,総ヘモグロビン値および酸素化ヘモグロビン値は有意に上昇し,踵部では105分間,下腿部では75分間持続した.皮膚温と主観的評価に有意差はなく,有害事象も認められなかった.【結論】下腿局所低周波振動は血流促進とその持続効果を示し,非侵襲的循環ケアとして有用性が示唆された.

キーメッセージ

  1. 今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
    研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
    従来のマットレス下挿入型振動器では臨床的課題が多かったため,マットレスに内蔵する振動器を着想した.
  2. この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
    難治性創傷の治癒促進だけでなく,非拘束な低周波振動ケアによる血流促進で深部静脈血栓症予防にも貢献できる可能性がある.
  3. 今後どのような技術が必要になるのか?
    マットレスによる褥瘡管理に積極的な振動ケアで「寝ることで褥瘡を早く治す」技術の開発.

キーワード

エアマットレス,振動器,局所低周波振動,難治性創傷,創傷治癒

Sustained effects of local low-frequency vibration using an air mattress-integrated vibrator on blood flow in healthy adults: A preliminary study

Author(s)

Daijiro Haba1 Ayaka Nishide2 Chizuko Konya3 Aya Kitamura4 Hiromi Sanada5 Masaru Matsumoto1

Affiliation

  1. Department of Well-being Nursing, Graduate School of Nursing, Ishikawa Prefectural Nursing University
  2. School of Nursing, Ishikawa Prefectural Nursing University
  3. Department of Adult Nursing, Faculty of Nursing, Ishikawa Prefectural Nursing University
  4. Department of Gerontological Nursing, Faculty of Nursing, Ishikawa Prefectural Nursing University
  5. Ishikawa Prefectural Nursing University

Abstract

Background: To evaluate the sustained effects of local low-frequency vibration delivered via an air mattress-integrated vibrator on blood flow in the heel and lower leg of healthy adults. Methods: Using a randomized crossover design, 12 healthy adults were exposed to both the experimental (vibration application) and control (no vibration) conditions, with a 1-day washout period. Blood flow, skin surface temperature, and subjective evaluations (comfort, discomfort, numbness, and pain) were assessed at baseline, during the 15-minute intervention, and at different follow-up time points. Blood flow was measured skin covering the plantar venous plexus and the great saphenous vein of the lower leg using a laser tissue oxygenation monitor. Results: Total and oxygenated hemoglobin significantly increased following the intervention, persisting for 105 minutes in the heel and 75 minutes in the lower leg. No significant changes were found in skin surface temperature. Subjective evaluations revealed no significant differences between the experimental and control conditions. No adverse events were reported. Conclusions: Local low-frequency vibration effectively enhances and sustains blood flow in the heel and lower leg, suggesting its potential as a non-invasive intervention for circulation improvement. These findings may contribute to the development of standardized protocols for clinical use.

Keyword

air mattress, vibrator, local low-frequency vibration, hard-to-heal wound, wound healing

Convolutional neural network を用いた超音波ドプラの信号源を分類するAI モデルの開発と判定精度の評価

佐藤 郁美 ほか | P.75

Convolutional neural networkを用いた超音波ドプラの信号源を分類するAIモデルの開発と判定精度の評価

著者

佐藤 郁美1,2 廣野 悠太3,4 甲斐 千遥4 吉田 皓文5 西山 博久3 児玉 直樹5 笠井 聡4,5

所属

  1. 新潟医療福祉大学看護学部看護学科
  2. 新潟医療福祉大学大学院医療福祉学研究科
  3. トーイツ株式会社
  4. 藤田医科大学医療科学部研究推進ユニット知能情報工学分野
  5. 新潟医療福祉大学医療技術学部診療放射線学科

要旨

胎児心拍数陣痛図(CTG)で記録される胎児心拍数(FHR)は胎児の健康状態を評価する際に重要だが,まれに母体の心拍数が記録されてしまうという問題がある.そこで本研究では,超音波ドプラ(DUS)信号から胎児由来の信号と胎児以外の信号を助産師と同程度の精度で分類するconvolutional neural network(CNN)モデルを構築し,その有効性の評価を目的とした.データは,単一施設の産婦人科病棟より425症例のDUS信号とCTGを収集した.本研究には助産師がラベル付けした526データの胎児由来の信号と114データの胎児以外の信号を使用した.1D-CNNモデルを開発し,分類精度は曲線下面積(AUC)で評価した.結果,AUCは0.928を達成した.また,1D-CNNの分類精度は助産師と同程度の範囲内であることが示唆された.よって,本技術はCTGの装着およびCTGの判読支援ツールとしての応用が期待される.

キーメッセージ

  1. 今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
    研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
    胎児心拍数陣痛図の判読や管理は,助産師の経験に依存しており助産師の負担が大きいためAIで支援したいと考えた.
  2. この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
    開発したAIが信号源を自動分類することで,助産師の負担を軽減するとともに母児の安全管理にも貢献できる.
  3. 今後どのような技術が必要になるのか?
    臨床応用へ向けて,リアルタイムで信号源を分類する技術の確立が必要である.

キーワード

超音波ドプラ,胎児心拍数,人工知能,胎児心拍数陣痛図

Development and evaluation of an AI model for classifying Doppler ultrasound signal sources using convolutional neural network

Author(s)

Ikumi Sato1,2 Yuta Hirono3,4 Chiharu Kai4 Akifumi Yoshida5 Hirohisa Nishiyama3 Naoki Kodama5 Satoshi Kasai4,5

Affiliation

  1. Department of Nursing, Faculty of Nursing, Niigata University of Health and Welfare
  2. Major in Health and Welfare, Graduate School of Niigata University of Health and Welfare
  3. TOITU Co., Ltd.
  4. Department of Intelligent Information Engineering, Research Promotion Unit, School of Medical Sciences, Fujita Health University
  5. Department of Radiological Technology, Faculty of Medical Technology, Niigata University of Health and Welfare

Abstract

Fetal heart rate (FHR) recorded by cardiotocography (CTG) is crucial for assessing fetal well-being; however, it is occasionally subject to the issue of maternal heart rate being recorded. Therefore, the aim of this study was to develop a convolutional neural network model capable of classifying fetal-derived signals and non- fetal-derived signals from Doppler ultrasound (DUS) signals with an accuracy comparable to that of midwives, and to evaluate its effectiveness. The data consisted of DUS signals and CTG recordings collected from 425 cases in the obstetrics ward of a single facility. This study used 526 fetal-derived signals and 114 non-fetal-derived signals from the 425 cases, annotated by midwives. A one-dimensional convolutional neural network (1D-CNN) model was developed, and its classification performance was evaluated using the area under the curve (AUC). As a result, the model achieved an AUC of 0.928. In addition, the classification performance of the 1D-CNN was found to be within the range comparable to that of midwives. Therefore, this technology is expected to be applicable as a support tool for both CTG sensor placement and the interpretation of DUS signals.

Keyword

Doppler ultrasound,fetal heart rate,artificial intelligence,cardiotocography