学会誌
更新日 2025年1月31日
看護理工学会誌 J-STAGE (Online ISSN : 2432-6283)
お知らせ
看護理工学会誌 査読方式変更について
看護理工学会誌は、これまでダブルブラインド方式(著者、査読者双方を匿名化した査読方式)で査読を行っておりました。しかしながら、インターネットでの論文等の検索が容易になり、匿名性の厳密な保持が事実上困難になっていることを鑑み、この度、査読方式をシングルブラインド方式に変更することとなりました。
シングルブラインド方式は、著者情報が査読者に開示された状態で査読を行う方式です。査読者の情報はこれまで通り著者には開示されません。
シングルブラインドでの査読は、10月以降の投稿論文から開始となります。それ以前に投稿されている論文については、これまで通りダブルブラインドでの査読となります。
ご投稿される皆様におかれましては、10月1日(火)以降のご投稿は査読者に著者情報が開示された状態での査読となりますのでご了承下さい。
学会誌へのご投稿をお待ちしております。
9月30日(月)までに投稿された論文 ダブルブラインド方式での査読を継続
10月1日(火)以降に投稿された論文 シングルブラインド方式での査読
2024年9月18日
看護理工学会誌では新たに迅速査読制度の運用を開始しました。
学生会員の学位取得や、日本学術振興会の特別研究員への応募を支援するために、投稿を受理してからおおむね2週間以内に査読結果を通知いたします。また、迅速査読の申し込みに当たり、追加料金は発生しません。
なお、詳細は2021年9月26日改定の投稿規定をご覧ください。
看護理工学会誌12巻を発行しました。(2025/1/31)
看護理工学会誌11巻を発行しました。(2024/7/31)
看護理工学会誌10巻Supplement号(特集号)を発行しました。(2023/8/31)
看護理工学会誌9巻Supplement号(特集号)を発行しました。(2022/9/30)
J-Stageでのパスワード等の入力が不要になりました。また、どなたでもすぐに論文全文を読めるようになりましたので、論文を投稿される方におかれましても、研究成果の一般公開のタイムラグがなくなりました。これを機に是非ご投稿ください。(2019/1/31)
看護理工学会誌は第6巻より電子版のみ(J-Stage)発刊されます。(2018-09-08)
投稿について
看護理工学会では、皆様からのご投稿をお待ちしています。
看護理工学会誌 最新論文
原著
英語論文
Changes in the heart sound-derived Lyapunov dimensions of mother-fetus pairs from early pregnancy to the postnatal period:A chaos theory-based analysis(妊娠初期から出生後にわたる母と胎児の心音由来のリアプノフ次元の変化:カオス理論的解析)
妊娠初期から出生後にわたる母と胎児の心音由来のリアプノフ次元の変化:カオス理論的解析
著者
石山 さゆり1 田原 孝2 岩永 浩明2 大橋 一友3 遠藤 誠之4
所属
- 日本赤十字九州国際看護大学成育・助産学
- 医療・福祉基盤研究所
- 大手前大学国際看護学部
- 大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
要旨
リアプノフ次元は,システムのカオス的な複雑さや動的挙動を表している.本研究の目的は,妊娠初期から出生後までの母児ペアの心音由来のリアプノフ次元の変化を考察することである.妊婦4人とその胎児の妊娠初期から出生後までの心音の時系列データを求めた.心音測定は,声掛けの有無などの5つの条件下で行った.得られたデータを妊娠初期,中期,後期,出生後の4相に区分し,母と胎児それぞれの相ごとのリアプノフ次元の中央値を求めた.その結果,母のリアプノフ次元は5次元の相空間の中で妊娠期から出産後にかけて有意に変化せず,胎児(出生後の児)では妊娠初期から出生後にかけて有意に増大した(p<0.001).両者は出生後に同一次元に収束した.母は一貫して成熟したカオス状態を維持しており,リアプノフ次元は変化しない.胎児は成長とともにリアプノフ次元を増大することで新たな相空間を獲得し,より複雑なカオス状態へと変化していく.キーメッセージ
- 今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
生体は決定論的カオス(カオス)であり,人の成長,身体,精神の状態をよく表わす.リアプノフ次元は対象のカオス的な複雑さを反映する.これを妊娠中の母児の変化に適応した. - この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
カオス理論・解析の導入は,看護領域に従来とは異なる知見を広くもたらす.対象の全体的理解の基盤となるリアプノフ次元の解析は,看護における人の成長・発達理解の基本的な枠組みを提示する. - 今後どのような技術が必要になるのか?
カオス・複雑系理論による解析と分析のさらなる開発を必要とする.
キーワード
カオス,胎児,母,心音,リアプノフ次元Changes in the heart sound-derived Lyapunov dimensions of mother-fetus pairs from early pregnancy to the postnatal period: A chaos theory-based analysis
Author(s)
Sayuri Ishiyama1 Takashi Tahara2 Hiroaki Iwanaga2 Kazutomo Ohashi3 Masayuki Endo4
Affiliation
- Maternal and Child Nursing, The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing
- Institute for Basic Medical and Welfare Research
- Faculty of Global Nursing, Otemae University
- Division of Health Sciences, Graduate School of Medicine, Osaka University